持田正樹

武蔵野音楽大学卒業後、ハンガリー政府給費留学生としてハンガリー国立リスト音楽院に6年間留学する(1990-1996)。
ハンガリー国内でのリサイタル、ハンガリー交響楽団のソリストとしてピアノ協奏曲の共演、ハンガリー国営放送出演、ペーチ音楽祭の招待演奏、またイタリア、ドイツ、フランス、スイス、イギリス、アメリカ、タイにてコンサートを行う。
 「イブラグランドプライズ国際コンクール」にて最高位、併せて<カセッラ賞>受賞。その他多くのコンクール、オーデション等入賞している。また、2006年春にはニューヨークのカーネギーホールにて招待演奏を行う。
1991年ブダペストにて初めてソロリサイタルを行い、国内では1993年サントリーホールでのデビューリサイタルが高く評価される。
以後国内外にて精力的にコンサート活動を開始し、近年では浜離宮朝日ホールにてソロCD発売記念リサイタルを行う。
コンサートでは常に自身のライフワークとも言えるリストの作品を取り上げその演奏には定評がある。またピアノデュオを夫人の日南由紀子と国際的に演奏活動を行い高い評価を受けている。
 
持田正樹

外務省タイ日修好120周年記念事業にてバンコクにて4公演行い、朝日新聞社主催によるリサイタルでは音楽の友誌‘コンサートベストテン’に選出される。
NHKBSテレビ「ぴあのピア」、NHKFM「名曲リサイタル」に出演の他、NHKテレビ「五木寛之21世紀仏教への旅」(5夜連続放送)の番組音楽演奏録音。また近年、シンガポール出身の映画監督トーマスリム氏の作品に楽曲提供している

ソロアルバム「リストプレイヤー1」がリリースされレコード芸術準特選盤。
ピアノデュオゲンソウジンではCDが3枚リリースされ「メフィストワルツ」がレコード芸術準特選盤。教材等の録音も数多く行っている。
著書「バルトークの部屋(CD付)」、監修楽譜「グレチャニノフピアノ作品集全2巻(CD付)」「グレチャニノフ ピアノソロ&連弾曲集 初中級程度(CD付)」「グレチャニノフ ピアノソロ曲集 中上級程度(CD付)」「こどものための近現代ピアノ名曲集全6巻」「現代ハンガリーやさしいピアノ小曲集」「はじめてのソナチネ全3巻」など他合わせて著作物が18冊ヤマハミュージックメディアより出版されて各メディア誌にて話題となった。
特にグレチャニノフのピアノ作品集を積極的に出版、録音し、コンサート、レクチャーなどで紹介している。またバルトークについても研究を行っている。

2001年より毎年8月に長野県や三重県でマスタークラス(ゲンソウジンピアノセミナー)を行っている。
財団法人ヤマハ音楽振興会本部にてピアノ指導者向けのブロードバンド音楽講座の出演、制作、また教材開発、ピアノ指導者の育成を行っている。公開講座ではバロック期から20世紀ピアノ音楽について30種類以上のテーマで日本全国、タイ、マレーシアにて行う。その回数は300にも及ぶ。
スガナミ楽器株式会社指導顧問
ショパン国際ピアノコンクールin ASIA全国大会審査員、
日本クラシック音楽コンクール、タニタピアノコンクール、スガナミピアノコンクール他を務める。
イモラ国際ピアノオーディション指導者賞。
これまでにピアノを石黒祥義、佐藤由紀子、三浦さえ子、エルジェーベト・トゥシャ、イシュトヴァン・ラントシュ、ペーター・ショイモシュ、アンドラーシュ・ケメネシュ、キシュ・デュラ、室内楽をアンドラーシュ・ミハーイ、シャンドール・デーヴィッチの各氏に師事する。

 

コンサートレビュー(2010年7月14日 浜離宮朝日ホール「持田正樹ピアノ・リサイタル」)

冒頭にリスト3曲を弾く。ペトラルカのソネット104番では音楽の中に激しく強い感情の表出をみせ、123番も抒情的な中に詩的な感覚が大きく流れ伝わった。ハンガリー狂詩曲12番では独特の哀愁感を持ちつつ華麗に音楽を高揚させてゆく中に自己主張も伝わり、音の色彩感にも魅力を感じる。バルトークのチーク県の3つの民謡は素朴な味の中にそれぞれの面白い展開を伝える。ハンガリー農民歌による即興曲作品20の8曲はハンガリー各地方の民謡で構成されているが、各曲がかなり個性的であり各地方独特の持味をうまく表出させていた中に持田のバルトークに対する格別な思い入れと執念といったものを感じ、ハンガリー農民の音楽的な本質を強く伝えたのは大変興味深かった。後半はリスト/ピアノ・ソナタ・ロ短調。細かいところまで神経が行き届いている表現の中に内容の濃い安定感があり、このソナタの特質の捕らえ方も見事で構築力もよく大きな自己主張も伝わり、やはり本日のハイライトと思えた。
音楽現代(家永 勝)Vol.40 No.9 (2010年9月号)