全く異なる感性を持つ2人のピアニスト、持田正樹日南由紀子によるスーパーピアノデュオ「Raula」。
1996年、ブダペストにてハンガリー交響楽団と 2台のピアノ協奏曲の共演を機にピアノデュオとしての活動を開始。ソロ、2台ピアノ、4手連弾によるプログラム構成のもとヨーロッパ・アメリカ・アジア各国にて公演を行い、2006年のニューヨーク カーネギーホールでの公演は好評を博した。
イタリアで開催された 「イブラ・グランドプライズ国際音楽コンクール」のデュオ部門で最高位、 併せて《カセラ賞》。ソロ部門では優勝、併せて《モーツァルト賞》《バルトーク賞》受賞。 同時受賞は日本人ピアニストとしては初の快挙である。そのほかにも「ウィーン国際音楽コンクール」にて優勝。

国内ではピアノデュオGENSOJIN(ゲンソウジン)としての活動を 1999年からスタートし、これまでに東京文化会館、浜離宮朝日ホールなど 国内の主要ホールにて数多くのリサイタルを行い、ラ・フォレ・ジュルネ・オ・ジャポンにも出演。
2005年7月より活動名を「Raula(ラウラ)」にあらため、さらに活動の領域を拡げている。華道家の假屋崎省吾氏とのコラボレーションや デヴィスカルノ夫人主催の花と宝石の饗宴での演奏、ゲンソウジン=リスト作品による「ヴィルトオージ・ライブ」シリーズの公演、 また絵本音楽を手掛けた子どもたちへの演奏会を展開するなど、幅広く活躍している。

2人は共に、東欧の変革時代にハンガリー国立リスト音楽院に学び、 その時代を共に生きた芸術家達と深い親交を持った。ピアノ演奏のみならず映像・美術・文学・詩・舞踏・・・あらゆる芸術分野への造詣を深め、 多くの音楽的インスピレーションを得ている。
ピアノデュオをイシュトヴァン・ラントシュ、エルジェーベト・トゥ―シャ、 フェレンツ・ラドシュの各氏に、マスタークラスではマルチェロ・アバドに師事する。リスト音楽院在学中から異色のデュオとして注目されてきた2人、 想像を超えた迫力と美しさを紡ぎだすユニットとして、定評がある。
デュオでのCDはこれまでに3枚リリースされ、 「メフィストワルツ」がレコード芸術準特選盤に選ばれる。リストのハンガリー狂詩曲第2番を4手版に編曲し、 ヤマハミュージックメディアより楽譜が出版されている。また、連弾曲初演や教材の録音も数多く手掛けるほか、 ハンガリーを代表する現代作曲家、クルターク・ジョルジュの作品も紹介している。
それぞれがソリストとしても活躍しており、 持田はナミレコードよりソロアルバム「リストプレイヤー1」が全国発売されレコード芸術準特選盤、日南はオーストリアのレーベルIPAとの契約によりDVDとCDが欧州にてリリースされている。
また「バルトークの部屋(CD付)」「グレチャニノフピアノ作品集Ⅰ,Ⅱ(CD付)」 「グレチャニノフ ソロ&連弾曲集(CD付)」のほか 多くの著作物をヤマハミュージックメディアより出版。
NHKテレビ「ぴあのピア」、NHKFM「名曲リサイタル」に出演、 朝日新聞社主催のリサイタルでは「音楽の友」誌コンサートベストテンに選出された。
また、2001年より毎年夏、ピアノセミナー(マスタークラス)を各地にて開催している。

「新しい境地を開く!ピアノデュオ ラウラ」

長らくピアノデュオの世界を、トップランナーとして牽引してきたゲンソウジン今後新しい境地を開く!ラウラへグループ名を変更と同時にプログラミングも幅広くなった。 まずは、日本初演となるショスタコーヴィチ作曲・編曲・交響曲第10番より第2楽章:ビゼー作曲「カルメン」:マーラー作曲 交響曲第5番より「アダージェット」:オッフェンバック作曲 歌劇「天国と地獄」と従来のピアノデュオのレパートリーを超えたプログラムとなった。 まず日本初演となるショスタコの交響曲代表作一つでいろいろな要素を盛り込んだ名曲で難曲でもある。この曲は自身が作曲した4手の曲で編曲となっているが、原曲?の交響曲第10番より第2楽章とは別な曲の様に思えデュオの曲として魅力ある曲と同時に神業的な難曲でありながらショスタコの魅力が十分に感じられる素晴らしいデュオ曲である、それにしてもラウラの演奏はテクニック・表現力は素晴らしいの一言である。対極にマーラーの「アダージェット」表面的な華やかさでは無くひたすら内的な表現を強く要求される曲でラウラのデュオの演奏は内的な表現完璧に表現しそして熱く熱く表現した名演!このデュオしか到達しえない演奏にも思えた。 天国と地獄・カルメンはオーケストラとは別の魅力が溢れた演奏、これだけそれぞれ完成された曲を聴くと何か纏めた形ので聴きたい様にも思う。例えば、①天国と地獄 ②アダージェット ③ショスタコ:10番より第2楽章 でひとかたまり?一曲?の様な構成で聴くのも良いか? デュオの世界を広げ魅力有るものにしていくラウラに期待する。
音楽評論家 渋沢明2015年7月7日 (火) Raula Piano-Duo Recital at 五反田文化センター音楽ホール
持田正樹は武蔵野音大、日南由紀子は桐朋女子高校音楽科を経て、共にハンガリー国立リスト音楽院に学び、ソロとデュオの双方の領域で活躍を続けているピアニストであり、デュオとしては、イブラ・グランドプライズ国際コンクールで最高位を受賞している。また、日南は、同コンクールのソロ部門有償の他、ウィーン国際音楽コンクール優勝など、ソロでも注目すべき快挙を成し遂げている。当夜は、前半がオール・リストによるプログラム。後半が4手連弾によるプログラムが組まれ、リストの「アヴェ・マリア」「エステ荘の噴水」「リゴレット・パラフレーズ」「ペトラルカのソネット第104番・第123番」「葬送曲」「メフィスト・ワルツ」、バッハ(レーガー編)の「トッカータとフーガ」、シューベルトの「幻想曲」、カセラの「戦争の記録」、バッハの「目覚めよと呼ぶ声あり」が演奏された。一人が三曲ずつソロを受け持った前半では、緻密で強靭なテクニックをもつ二人が本場ハンガリーに於けるリストの正統的で味わいは、なかでも特筆されるべき聴きどころになっていた。後半では、極めて熟成度の高いデュオが繰り広げられ、思いがけない高い水準の演奏が筆者の度肝を抜いた。二人は、隠れた実力者というにふさわしいピアニストであり、今後の動向に特別な注意を払われる必要があるだろう。
柴田龍一(ムジカノーヴァ 2009年2月号)2008年11月8日 「持田正樹&日南由紀子リサイタル」 at 浜離宮朝日ホール
2人の共通点はハンガリー国立リスト音楽院留学。ピアノデュオとしては帰国後の1999年にデビューというから、活動歴としては堅調だ。今回は第1部「ソロによるオール・リスト・プログラム」と第2部「4手連弾」から構成される。第1部ではまず日南由紀子が「アヴェ・マリア」(「詩的で宗教的な調べ」より)、「エステ荘の噴水」、「リゴレット・パラフレーズ」を演奏。日南のピアノは華やかだ。きらめくような光沢感と高揚感がある。一方の持田正樹は「ペトラルカのソネット第104番・第123番」、「葬送曲」を弾いたが、こちらはどっしりとした安定感と深い陰影をかもし出す。選曲が2人の個性を鮮やかに引き出す感。それぞれの持ち味が融合する第2部はなるほど聴き応えがあった。まずはレーガー編曲によるバッハの「トッカータとフーガニ短調」。重量感のある低音部(持田)と質量ともに引けをとらぬ高音域(日南)のコンビネーションが功を奏す。シューベルトの「幻想曲ヘ短調」は4部分それぞれの特色が鮮やかで味わい深く、シューベルトの妙味が良く出ていた。珍しいカセラの「戦争の記録」は初めて耳にするが、秀逸な一品だ。最後にバッハ「目覚めよと呼ぶ声あり」、リストの「メフィスト・ワルツ」。連弾版で聴く名作は新鮮だが、最新の曲も聴いてみたい欲求に駆られたことも偽らざるところ。
齋藤弘美(音楽の友 2009年1月号)2008年11月8日 「持田正樹&日南由紀子リサイタル」 at 浜離宮朝日ホール